千葉市議たばた直子さんへのインタビュー<前編>〜女性と政治を近づけるウーマンシフトのジョセラジ〜

女性と政治を近づける、WOMAN SHIFT(ウーマンシフト)の「ジョセラジ」。この番組は、女性議員が様々な話題に対して、女性議員を応援したい区民、市民の女性の方たちと一緒に、発信していく番組です。

政策実現できる女性議員を増やし、地方議員を女性のキャリアの選択肢とすることをミッションとする、超党派の若手女性議員のネットワーク、ウーマンシフトとそのサポーターのメンバーで運営しています。

今回はサポーターのともみさんがインタビュアーとして参加し、千葉市議会議員のたばた直子さんにお話を伺いました。

直子さんの飾らないお人柄に触れるインタビューとなりました。

音声で聞きたい方はこちら

https://stand.fm/episodes/6155145a61dbeb0006730040

千葉市議会議員のたばた直子さん

ともみさん(サポーター)>では簡単に自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。

直子さん(ゲスト議員)>千葉市議会議員美浜区選出のたばた直子といいます。今45歳です。

一人息子がいまして、シングルマザーでもあります。議員歴は3期、11年目になりまして、東日本大震災直後の4月の統一地方選が初当選になっています。そういうところから、安心安全な街を作っていきたいと思って活動しています。

趣味というか唯一好きなことは、リラックスできる時間は、大好きなスイーツを食べる時間です。今日はよろしくお願いします。

ともみさん(サポーター)>今日はなんとお呼びさせて頂いたらいいですか?

直子さん(ゲスト議員)>はい、多分ともみさん私よりずいぶん年下でいらっしゃるかな、と思うので、直子さん、でも好きな形で呼んでいただけたらと思います。

ともみさん(サポーター)>ありがとうございます。じゃあ今日は直子さんで呼ばせていただけたらと思いますので、よろしくお願いします。

私あんまりわかっていなかったんですけど、千葉市議会議員の中でも美浜区選出というものがあるんですね。区によって分かれているというイメージでよろしいでしょうか。

直子さん>はい。千葉市は六行政区に分かれていて、その区ごとに、東京なんかも一緒ですけどれども、議員が選出されます。でも市議会は一つなので、六区のすべての議員50人で作られています。なので選挙は別々だけれど議会は一緒です。

ともみさん>なるほど。ありがとうございます。50人と聞くと結構大所帯かな、という印象も持つんですけれど、千葉市自体の人口ですとか、何か特徴があれば教えていただけますか。

直子さん>人口は97万人いまして、全国の中で20市ある政令指定都市という位置づけになります。自治体の中ではすごく大きくて、他の市は権限を持っていない教育であるとか、子育てなどの権限もあったりするので、警察と医療、お医者さん関係以外は全て権限があるということで、一つ街づくりとしては大きな仕事ができる自治体になります。

ともみさん>50人の中の女性議員の比率は何名ぐらいいらっしゃるんですか?

直子さん>今は9名ですね。

ともみさん>ちょっと少ないかな、というような印象を受けたんですけれども、直子さん3期目ということですが、初めて当選された時も9名ぐらいだったんですか?

直子さん>そうですね、正確には忘れてしまったんですが、大体このあたりをキープしています。六行政区の中に1人か2人ずつはいらっしゃる形です。難しい話になってしまうんですけれども、選挙が8人か9人しか当選しない中に入っていく、ということと、それから5,000票以上票を取らないと当選できないということで、普通の自治体より選挙が大変大きな選挙になるので、なかなか女性がやはり手を上げにくい、それから当選しずらいというような課題があるから、もしかしたらほかの地自体よりも少ないかもしれないですね。

ともみさん>直子さん3期目ということで、11年目ですね、11年前は30代だったかと思うのですが、その時は30代の女性議員の方とか、20代の方とかもいらっしゃったんですか?

直子さん>はい、その時も女性議員の中では最年少になりますし、実は10年たった今も私が女性議員では最年少なんです。大体子育てがひと段落してから、組織を背負って議員として立候補する人が多いですね。

ともみさん>立候補する方も、20代30代の女性はいない、ということなんですかね。

直子さん>男性もやっと、20代30代が最近やっと出てきたかな、という形で、本当に私たちが初当選した10年前は30代というのも、私ともう一人男性、独身の男性が、というような状態でした。

ともみさん>なるほど。そうなると千葉市議会議員は平均年齢が高そうなイメージですね。

直子さん>そうですね、もしかしたら都内の自治体議員を見慣れている方にとっては、こんなに長老の方がたくさんいるんだな、と思われるかもしれないです。

選挙に出たきっかけは?

ともみさん>次に直子さんご自身が11年前に議員になられたきっかけや、選挙に出ようと思ったきっかけなど、お話しいただけたらお願いします。

直子さん>私自身先ほどお話ししたように、早く結婚して、子どもを出産して、離婚も子供が小さいうちに経験して、その中で子育てを、もちろん親とか地域の人たちの力を借りながらしていたんですが、その中で仕事は財団法人であるとか、市役所の非常勤であるとか、公益に近い仕事、公益にかかわる仕事をしていて、やはり社会貢献をしている達成感、誇りもありましたし、こういう風に街づくりとか人の人生にかかわっていくっていいな、と思いながら子育てと両立して、働いていました。

何かこれからもっと自分自身も視野を広げていきたいと思ったときに、全然実は政治って考えていなかったんですけれど、もともと政治に対して関心の高い家に育っていて、その中で政党の旋風などもありまして、自分たちの生活に近い政治の政策を聞く機会があって、今千葉県で新しい、若い県知事が誕生したんですけれど、その熊谷俊人県知事という人が、千葉市議会議員から政治家をスタートしたんです。

実はその時に私が住んでいた稲毛区から市議会議員として出たときに、彼がゴミステーションの近くで一人で演説をスピーカーをもってしているところを私はたまたま通りかかり、その時に受け取ったリーフレットを読んで、私こういう町に住みたいしこれを作ることに関わりたいと思い、政治家って偉そうにしている人たちかと思ってたけど、こんな地道な仕事をして、街のことを考えているんだ、と衝撃を受けたんです。

で、熊谷さんが市議になって、一年半後市長になっていく姿を市民として見た時に、自分も市議会議員として政治に関わりたいと思い、熊谷さんが初当選した四年後の統一地方選挙に出たという形です。

子育ても、今大変大変て言われがちなんですけれども、でも絶対的にやりがいもあるはずで、私もひとり親で育てる中で、大変なこともあったけど、やっぱり生きがいにも繋がったので。子育ての大変なところだけじゃなくてもっと充実させたい、そういう気持ちもあります。で、思い切って飛び込んだ感じです。

ともみさん>直子さんのホームページに、今の千葉県知事さんと握手している写真とかも載せてらっしゃったんですけれども、昔からちょっと、市議会議員としてかぶっていた時期もあったということですか?

直子さん>いえ、彼が市長になってから私が市議会議員になったという感じですかね。

ともみさん>今のお話を聞いていてすごく思い切ったんだな、という風に感じたんですけれども、出ると決めてからどれぐらいの期間とかがあったんですか?

直子さん>はい。地方政治に興味を持ちながら、熊谷市長の政治を見ていたんですけれど、実際に飛び込むって決めたのは、ちょうど選挙の一年前に、政党から市議会議員に出たい人、応募してみませんかっていう公募があったんです。その時はまだまだ飛び込む勇気はなくって、家族に相談したり、家族の後押し、両親からの後押しもありましたね。やっても失うものはない、応募する分には失うものはないからまずはやってみれば?という感じで、その中で千葉市への思いを書いて応募した。ということを考えると(立候補の)一年前に一応アクションは起こしたという感じです。

ともみさん>では一年間は、政治や、議員ってどういうものなのかについて勉強する期間があったということですかね。

直子さん>そうですね。自分がなるっていう意識で勉強するっていう意味では、その時に自分がどういう思いで街づくりをするか、したいかっていうことを書いたことをきっかけに勉強していった感じですね。

ともみさん>実際に議員になるまでに苦労されたことや、あとご家族・ご両親のご理解があったということなんですけれども、お子さんにはどうお話しされたかなどについても、お話伺ってもよろしいですか?

直子さん>はい。私の子どもは実はもう成人していて、10年前もある程度はお母さんがこういうことをするっていうことはもう認識できる歳ではあったんです。その時に、まず息子にも聞きました。息子が良いって言わなければ、やっぱり子どもに大きく影響があるので、まず子どもの反対があったら出られなかっただろうなと思います。なので、そこで彼の気持ちを聞きました。

ともみさん>お子さんの応援があって、ご両親の応援、サポートを受けながら、議員さんを目指されたということですかね。何かほかに苦労したこととか、これ大変だったなと思い出すことはありますか?

直子さん>議員になる前に苦労したことっていうのは、たくさんあったように思うんですけど、やっぱり今まで事務職として9〜17時で働いていて、家事をして子どもと夜過ごして、っていう生活ではなくって、朝早く駅に立ったり、夜会合に出たりするということが、やっぱり選挙前から少しずつあって、今までの生活と変えなきゃいけないっていうところは結構ジレンマがありましたね。

あと私の中では女性の職場で過ごすことも多かったので、男性ばっかりの政治の世界で、周りがすべて男性っていうところに、困りはしないけれど慣れなかったので、どのように立ち回ったらよいのだろうというのは、右往左往していた記憶があります。

ともみさん>そうですよね、しかも冒頭のお話から、年代の近い方もいらっしゃらないということなので、急に環境がガラッと変わるというこで、すごく大変だっただろうなと言ことは想像しました。

実際に議員になってから良かったこととか、やりがいに感じられたこととかありますか?

直子さん>まず、単純に日常一番感じるのは応援してますとか、いつもレポート見てますっていう、女性の声ですよね、若い人もそうだし、同世代もそうだし、目上の方でもそうなんですけど、女性ってやっぱりまだまだ政治に興味がないって、私たちも諦めちゃいけないんだけれども、男性の支援者さんが多い中で、政治に関心の高い人から、どう見てもらえるかっていうことに囚われがちなんですけれども、思いがけけないところでそういう風に言ってもらったりだとか、ママさんが話しかけてくれて、この人だれ?何?ってお子さんがきいたときに「〇〇ちゃんの街を良くしようと思ってお仕事している人よ」なんて言う風に説明してくれると、すごくうれしいと思います。あともう一つはやはり政策実現が実際にできた時っていうのは、やったーっていうガッツポーズはありますね。

ともみさん>そうやってママさんから話しかけられてお子さんに説明しているのを聞くと、目の前でされているのを見るとすごく嬉しく思いますよね。

ただ、直子さんの支持者の方、私は女性が多いのかなって思ったんですけれども、どうですか?

直子さん>そうですね、もともと政治の関心の高い男性も一定支持してもらっているんですけれど、女性の方からも支援してもらっているっていうのは嬉しいですね。(自身の)母親ぐらいの世代の人に心配してもらったりするときあります、体に気をつけなさいよ、とか、お子さん大事にするのよとか。親身になってもらえると、政治家ってことだけじゃなくて人間としても見てくれてるんだなって嬉しかったりします。

ともみさん>先ほどお子さんとの関わり方でも、朝早く駅に立ったり夜会合があったりということはあるかな、と思うんですけれど、今結構コロナ禍になって、会合が少なくなったりとか、朝立ったりとかって、いかがですか?仕事が少し変わったな、変化したところとかもしあれば。

直子さん>大きく変わりましたね。まず夜の会合も、飲み会も含めてそういうものも無くなりましたし、土日に、今までだったら地域の行事であったり、会合であったり、土日のほうが忙しくて休みがなかったんですけど、そういうことがコロナ禍でセーブされている。駅頭なんかもやっぱり、朝の駅に立つ活動なんかもやはり自粛をしているので、そういう意味では時間外、普通でいうと時間外といわれるような時間帯の活動すごく減ったので、そこの部分については体の負担はへりました。その分何ができるかって切り替えると、やはりこういうオンラインの勉強会の機会であったり、そういうことを増やすことによって、活動は別の形にシフトしていますけれど、そういう意味でも女性議員が、もしかしたらコロナ禍だと自分のやりやすい仕事の仕方っていう新たな発見があったと思います。

ともみさん>やはり女性で、子どもがいる女性が立候補するとなると、やはり今までの生活と時間帯とか、土日にすることが増えるんじゃないかとかが一つ、心配としては上がるんじゃないかなと思ったんですけれども、コロナ禍になってきて、そういうところも少しずつ変化がみられるということで。大変参考になりました、ありがとうございます。

今3期目ということで、ウーマンシフトの活動の中でも、1期目から2期目に上がる女性議員の方がやっぱり減ってしまうというようなところも課題の一つという風に言われるんですけれども、直子さん自身は2期目の選挙を立候補するときとか、何か葛藤はあったんですか?

ともみさん>はい。1期目は、一番最初の選挙は何もわからず、本当にがむしゃらに、怖さも感じず飛び込んだんですけれど、1期目になると、今度は次の選挙は自分の活動が評価されるという意味で冷静に見れるだけに、ものすごく怖かったこともありますし、それにこれでいいんだろうかっていう悩みもすごくありました。そういう意味で、1期目というのは本当にいろいろ慣れない中でがむしゃらにやっていたし、その中でもがいていたなっていうところはありましたね。

ただ2期目の選挙を超えると、私の場合ありがたいことに票数が伸びたので、この活動を見ていてくれた人がいたんだっていうことが数字として表れたので、一つ安心したので、2期目はじゃあそれを踏まえて、次はこれをやってみたいとか、そういうことに繋げられたので、1期目の女性議員の人には、1期目で辞めないで、2期目はもっと視野も政策も色々広がるから、今を頑張って。今のもがきは無駄にならないよってすごくそれはウーマンシフトでも、ウーマンシフト代表の本目さよ台東区議とも、後輩や同僚の仲間たちに伝えているところですね。

<後編へ続く>

▶︎千葉市議 たばた直子さんのホームページはこちら

http://tabatanaoko.com

▶︎ひとり親家庭支援のための地方議員ネットワーク

https://m.facebook.com/hitorioyashien/

 

 

 

 

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